PRAHA Project 大橋拓 1999.12
『極東アート コレクション #2 アートの訓練』
(掲載:タウン誌/札幌ステージガイド-2000.1月号/校正前)

「月に一度人間を観る(描く)会」を友人Hの所で、5人〜10人くらいで、
もう1年も開いている。参加者はほとんど女性で、状況だけ観ていると、
ほぼ「奥様方の趣味のデッサン会」だ。人間のためにものを創っているのだ
から人間を良く観てみようとか言いながら、1度モデルをやってくれた人は、
2度と描かない様にしている。同じ人を何度も観ていると覚えてしまいそうで、
人を観ている意味が無くないそうだからだ。もちろん粘土とか、針金とかで
人体を追求している人、人間を表現したい人は来て欲しいと思っている。

でも、僕の目的は、ちょっと違っていて、描きに来ている誰かが、「座って
下さい」と言うと、どう座るか?、寝てくださいとか、半分立っていて下さ
いとか、曖昧な注文を受けるモデルの人を観ている気がしている。プロでは
ない素人の人にモデルになってもらっているので、そのモデルであろうとす
る座り方、立ち方は、個人の解釈と経験を反映しているのだと思うからだ。
まあ、参加している人の目的は様々だろうけど。モデルはモデルらしく、
描く方もそれらしく。みんな、デッサンらしくとか、クロッキーらしくとか、
きっと何処かで身につけただれかの創った「らしく」を反映しながら表現
していると思う。

デッサンらしくと言えば、*『コマンドN』のN氏が、某インタビューで、
アジア圏の美術学校は、受験の仕組みで、デッサン、細密描写などを、今だに
取り入れていると言っていた。それも日本から輸出されたものだとか。
デッサンの‘描き方’みたい な本が充実しているからだろうか。
氏自身も石膏デッサン経験者だと思うけど、『美術手帖』の石膏デッサンが
載ってる広告ページを50年分コピーして、某Z大学で「石膏デッサン50年史」
というレクチャーまでしていて、コピーしてレクチャーしてしまえるものな
のだったのかもしれないと思う。造形力の訓練は、活動に必要な人が、個人的に
追求すればいいと思っているけれども。

*「コマンドN」
中村政人、他数人で開設された東京、上野にある共同スタジオ

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